ライアン・ゴズリングが現在のポジションを確立するキッカケとなった『ハーフ・ネルソン』（06）は未だ放置状態だが、それを作ったライアン・フレックとアンナ・ボーデンのその後の作品は劇場公開にまでは至らずも専門チャンネルでひっそりとON AIRされている。本作は今のところ彼らの最新作。ギャンブル映画で、驚いたのは導入部分がアルトマン『ジャックポッド』（74）と酷似していること。観ながらリメイクなんじゃないかと思ったほどだ。アルトマンが死んじゃったから、というわけでもないのだろうが、やはりギャンブル映画『熱い賭け』（74）の脚本家ジェームズ・トバックが出演している。そうした過去の同ジャンル映画への目配せはファンにとっては嬉しい部分だ。映画はロードムーヴィーらしく、旅が主人公にささやかな変化をもたら…したのか？男は逃げた女房に会いに行くが、なにをするかと思いきやヘソクリを盗もうとしていた！懲りない奴にはオフビートな笑いと哀愁が同居している。
