ゆっけ

エール!のゆっけのレビュー・感想・評価

エール!(2014年製作の映画)
4.0
10月末に公開されたフランス映画。

フランス映画って、たまに掘り出し物がみつかります。『最強のふたり』もそうでしたが、『エール!』も泣かされました。

農家のベリエ一家のお話です。高校生の長女ポーラ以外は全員聴覚障がいを持っています。
当然、長女が家族(父親、母親、弟)の通訳となって家族を助けます。

ポーラは文句言わず、当然のように昔から家族を助けて普通の女子高生のように生活せずにいます。そんなある日、音楽教師に歌の才能を認められることから、ポーラは自分のやりたいこと=歌を家族に内緒でやるようになります。

父親をはじめ音が聴こえないので、食器を扱うときや、生活の”音”がすごく気になるんですよね。それをよく思っていないけれど声に出せないポーラの想いがよく表現されていています。”家族”の映画なのですが、おそらく見ていると、いきなり親父の自由気ままな奔放な性格やママな情緒不安定な感じや(夫婦の営み多し)、弟の思春期たっぷりな感じにイライラすると思います。

家族は聴覚障がいを持っていることをひとつの個性としか思っていません。何も”不自由”がないと思って堂々と生きています。だからこそ、ポーラにも迷惑かけていないと思っているのかもしれません。家族の一員として当然だと。しかし、ポーラは自分の魅力のひとつである歌声を家族に聞かせて、見せてあげられないことをきっと悔しい想いをしていたかと思います。

そんな彼女が進学のために家族を離れることを決意したとき、家族から猛反対されます。
父親がポーラの想いを受け入れられたとき、涙しました。

そして、最後のオーディションを家族に見せるシーン。号泣です。。。
思い出しただけでだめです。

伝え方はそれぞれあります。家族だけでなく、それがその場にいる人全てに伝わったとき、私は全力で拍手したくなりました。
いい映画観たなって気持ちにさせてくれるいい映画でした。

▼La Famille Bélier - Je vole (Louane)
https://www.youtube.com/watch?v=McF-ZsJi9Qo

フランス映画ぽく、下ネタが多いので家族で観るときは注意です。
ゆっけ

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