あの、「コーダ あいのうた」のオリジナルにあたる作品です。
作品の味わいとして、上記が良質なレストランチェーンとすると本作は地場食材を用いた隠れ家的ビストロですかね。聾者とCodaの暮らしに光を当てるのは同じとして、微妙な違いは作品原題に現れていると感じます。
「コーダ あいのうた」も良いのですが、私は本作の方が好きです。
前者の主人公家族は経済的に困窮し、同業者から浮いた存在ですが、後者の主人公家族は苦労しつつも経済的には余裕があり、周囲とそれなりに上手に付き合っているのです。必要以上に可哀想な設定にしなくても良いのに、ということです。
最後にやや脱線しますが、邦題「エール！」って、なんですかね？
原題「le famille Belier」→「べリエ家のひとびと」的な邦題でよかったんじゃないですかね。「エール」って日本人（特にメディアの連中）が好んで使いますが、応援でも声援でもなく、Yellの本来の意味は「ヤジ」「怒声」ですからね。映画やドラマでよく「Don’t yell at me」(怒鳴るなよ)ってセリフがありますね。
こういう誤訳、誤解は正したいです。
（2022年2月 PrimeVideoで鑑賞）
