高橋早苗

エール!の高橋早苗のレビュー・感想・評価

エール!(2014年製作の映画)
4.0
「練習とは 間違えても歌うこと」


…自分の、まだ聴いたことのない声に
驚き戸惑うポーラの姿が、とても初々しい。
歌える喜びと夢に 胸をふくらませるが
家族は誰も
彼女の声も、歌も、夢も、知らない。

悩んだ末に 諦める彼女はこう言う
「私には役割がある」


「役割」はいつも、話を複雑にする。
純粋にやりたいこととピッタリハマれば良いが、大体はそう上手くいかないから。


学校のステージで歌う娘と
その歌に涙し 拍手を贈る観客
それを見た父は、娘の喉元に手を当てて“歌ってくれ”と言う

じっと響きを感じとる
確かに聴いたぞという、その顔


間違えても 届かなくても
歌いたい・・・その思いで歌い続けて 掴んだもの
届いたのは 言葉ではなく「気持ち」


ここまで「伝わったのか」を確認できる家族って、素直に羨ましい

こちらは、情けなくも
我が言葉の不自由さに、イライラするほどね。
高橋早苗

高橋早苗