ドント

君を探してたのドントのレビュー・感想・評価

君を探してた(2003年製作の映画)
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03年。ボリウッド産恋愛SFファンタジー。実はスーパーヒーロー映画『クリッシュ』(06、13年)シリーズの前日譚に当たる。宇宙との交信を成功させた科学者を父に持つ、脳に障害があり知能に遅れがある青年が恋をし、宇宙人と出会い、知能と身体能力を格段に発達させてもらうのだったが……
SF苦労恋愛SF恋愛スポーツアクションSFとやりたいことを全部乗せて何一つ抑えておこうという気持ちが見当たらない映画。さすがにバランスを欠いているがコテコテの演出で押しまくり適宜差し挟まれる歌と踊りの手数の多さもあって170分を寄り切ってしまう。
分かりやすくコッテリ演じたくなりそうな主人公をリティックが嫌味なくやりすぎず演じているし、「障害ゆえの差別や苦悩」を前には出さずしかも削らずに表現する物語も良くも悪くもだがライトでよい。「無垢ゆえの指摘」みたいなのもないし。「普通の人とは恋愛できない」と言うのが他人ではなく、それまで息子を大切にしていた母親なのが奥深い。
取り残された宇宙人ジャドー(魔法の意)が出てきてからはほぼまるっきり『E.T』と化すが歌と踊りは忘れない上、恋愛の進展とバスケ対決を入れるなど娯楽として攻めの姿勢を崩さない。凄味がある。「今日観に行く映画は3時間半だよ! 最近はそのくらいがトレンドさ!」との自己言及台詞アリ。
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