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ソング・オブ・ザ・シー 海のうたのykzrのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

全ての映像が美しく幻想的。アイルランドの伝統的な音楽や、幻想的なデザインが細部まで美しい作品。
ストーリーは前半から中盤にかけて、少しテンポが取りづらい。これは主人公のベンの幼さゆえ、視点が狭いことにも依るのだろう。また、シアーシャが何を思っているのかも表情のみで汲み取らねばならないこともある。
6歳の誕生日の夜、シアーシャの影が随分と丸く人間ではないのか?と思っていたが、まさかの本当に妖精で驚いた。が、作品自体がアイルランドの神話がベースになっているということで納得。
初めに出てくる祖母に関しては私が成人していることもあり、ストレートに祖母の息子や孫に対する複雑な愛を感じ取ることができたが、ストーリーとしては後半で出てくるマカと巨人の親子の関係に繋がることで帰結していた。
最終的に主人公たちは母親と再会することになるが、妖精である母親が人間として生きていくことはできず、2度目の別れを迎えることとなる。しかし、互いに愛を確かめ、別れることで家族としての信頼が修復されており切なくも優しい気持ちになった。正直号泣した。
全体的にアイルランド地方の妖精伝説特有の掟などがはっきりと物語の軸にあり、妖精物語としても完成度が高いと思った。字幕版がAmazonにはなかったが、そちらもぜひ鑑賞したいと思った。
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