financier

みかんの丘のfinancierのレビュー・感想・評価

みかんの丘(2013年製作の映画)
4.1
どんな映画なのか全く知らずに、
偏屈なお爺さんなのかな?と思って観始めた。
全然違って芯のある素敵な老爺だった。
きっと平和なころには、もっと柔らかな芯だったのだろうと思わせる。

心が通じあっていれば殺しあうことなどないという美しさと、心が通じていなければ同じ側のはずの人間も信用できず刃を向ける醜さ。
どちらも人間性というものであることにだけ、違いはなくて。救いと、やるせなさとが渾然一体になっていた。

差し引きは圧倒的に“負”なんだけれど、
けれど私の心には少し、暖かさも残った。
すぐに消えてしまいそうだけど、大切にしたいぬくもりが。

風景が美しく、演技も好きだから映画館で観たかったと思いつ、映画館で観ていたら、複数のシーンが涙で見えなかった気もする。
あと音にびっくりして声をあげてしまったかも。
字幕が時々やんわりしていて、ちょっと気になる。
financier

financier