まさなつ

みかんの丘のまさなつのレビュー・感想・評価

みかんの丘(2013年製作の映画)
4.2
この地域の背景を知らずに観たけど、とても心に響いた。

紛争地に残った老人は寡黙で多くは語らないけど、おそらく辛い経験を積み重ねてきただろう。
それでもそこに残り続ける。身近で日常的に殺し合いが行なわれているのに。肝が座っている、、というか、すでに覚悟しているのか死を怖れてはいない。その姿は、不謹慎かもしれないが、カッコイイ。

そんな状況の中、負傷した敵対する2人の兵士を、自宅に入れ、決然とした態度を示す、、

題名にもなっているみかんは小さくて、日本のみかんに近い。それが机の上に置いてあり、それが「コタツにみかん」を思わせる。紛争地でも家の中は、誰もの故郷。
そして彼ら二人を、国や民族や宗教ではなく人として接する。そんな当たり前のことがいかに尊いことか身につまされる。

その二人に、その思いが伝わっただけでも救いがある。普遍的な話なので、背景知らなくても大丈夫です。素晴らしい映画。
まさなつ

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