たてぃ

みかんの丘のたてぃのレビュー・感想・評価

みかんの丘(2013年製作の映画)
4.2
内戦モノって物凄く哀しい反面、良作も多いんですよね。今回もそうでした。あと個人的には、主人公の友人役の人が「1944 独ソ・エストニア戦線」の監督と知ってさらに納得。両作品とも素晴らしい映画です。

かつてはグルジアと呼ばれたジョージアという国(位置はトルコの北東)での内戦の話。主人公の老人はエストニア(フィンランドの南)から移住してきたので内戦ではどちら側でもない。しかし、戦況が悪くなるにつれ、エストニア人は故郷へ帰ってしまい、主人公と友人の二人が残る。タイトルにあるとおり、「ミカン」の収穫が終わるまでは。そんなある日、近くで武力衝突があり、負傷者を家に運ぶ。それが敵同士の二人で一つ屋根の下での治療生活が始まり…

「1944 独ソ・エストニア戦線」ではエストニア国内でドイツ軍とソ連軍に分かれて戦う「同胞で殺し合う」光景、一方、当作品は国内での内戦が描かれてます。共通してるのは、敵同士でも決して憎しみあってるわけでもなく、様々な事情で一人一人が兵士として参戦してることを描写されてるのが評価できます。

ジョージアは現在でも南オセチアとアブハジアの2つの地域が独立状態となっていて、政情が不安定なんですよね…様々な民族が同居し、みかんが取れるくらいの温暖な気候、地理的に交通の要衝、チェチェンが近くにあるロシアにとっては押さえておきたい所、などいろんな要素が問題を複雑にしているのでしょうか…少しでも早く平和が訪れることを祈るばかりです。
たてぃ

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