この映画を通して、ロングトレイルという文化を初めて知りました。
アメリカでは一般的で、長期休みを利用して数百キロから数千キロの山道を踏破する人たちが沢山いるようです。アウトドア大国アメリカならでは。
登山とは一味違ったもので、山頂を目指さず自然の中を歩く、と言ったところ。日本でいえば四国八十八ヶ所巡り的な感じなのかな?
途中で宿に泊まってもいいし店で食事するのもアリ。もちろんテントを設営して野営するのもアリ。とにかく自由に登攀できれば何でもいいのだ。
映画の内容は、退屈な人生を変えるべく、思いつきでアパラチアントレイルに挑戦しようとする初老男性の話。知人の葬儀に参列し、残された時間は少ないと感じたのかも。
その相方に選ばれたのは、若かりし頃、一緒に旅行を共にしたかつての友人(変人)。彼と二人っきりで何ヶ月も歩くのだ。
アパラチアントレイルは3,500キロもの長さがあり、踏破するのは至難の業。始める前に色々調べてみると、クマに襲われるだの行方不明になって腐乱死体で発見されるだの、病原菌に侵されるだの様々なネガティブな情報が飛び込んでくる。
通常の人は安全策を取って辞めてしまうだろう。ここで一歩を踏み出すかで面白い人生になるかどうかが決まるんじゃないかと思う。
人生というのはちょっとした勇気でいい方向に簡単に変わってしまうんだな〜と感じた。
人生の終盤に差し掛かった彼らは、これまでの人生を振り返り、どう生きるか模索していく。
私はまだ彼ら程、年齢を重ねていない。しかし人生はあっという間に過ぎ去ってしまうし、いつ終わるか分からない。
いつ死んでも良いように悔いなく生きることを教えられた。
とても良い映画だった。