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EDEN/エデンの346のレビュー・感想・評価

EDEN/エデン(2014年製作の映画)
3.3
うん、やっぱりフランス映画だなって感想。
もうほんと、自分がアメリカ映画に毒されてるのがよくわかる。

あの、冒頭に掴みのないかんじ。キャラクターをハッキリも打ち出さない感じが気になってしまって。
時間とともに一本一本ひかれていく凡庸な線によって、最終的には厚みのあるキャラクター像が浮かび上がるから、我慢してみればそれなりだけど。エンタメ要素が足りなすぎて、欲求不満です。

でも、もともとハウスミュージックがすきだったり、当時のクラブシーンを体験している人には何か違う輝きがあるのかもだけど、音楽に詳しくないし、自分にとってはあんまりそういうとこで楽しかった思い出がないので…。

あと、これは言いたい。
いやもうこれだけが言いたい!
お金にならないとか、お金がないからとかが彼の挫折に繋がっているけど、一番は才能がなかったんでしょ?どれだけ放蕩してたって、飛び抜けた存在ならペイできるわけで。
それをちゃんと描くべきだったと思う。それをお金だけに持っていったとこが現実主義な女性監督らしいなと。

男の子はあそこまで情熱的にやりたい夢があれば、お金がなくても簡単には諦めきれないんだよ。子供ができたとか、親の介護とか、そういう理由なら別の道にすすむことはある。でも、それも、あれがなければとか、これがなければとか、自分に言い訳ができるから他の道に進むことができるのであって、男の夢はそれぐらい宙に浮いてるもので、捕まえるのが厄介なものなんです。

だからこそ、自分に才能がなかったと受け入れることが唯一の挫折であり、再生へのスタートなのに、それが描かれていなかったのか残念無念。
それか、彼自身がもともと惰性でドライに音楽と向き合っていただけで、もともと彼に夢などなかったのかもしれないというなら、その気付きを描くべきだった。

(もしかしたら、劇中で流れている音楽の中に、彼がそれを聞く表情にそのニュアンスがあるなら、もう自分にはわからないけど…)


男の夢と現実を描いた映画なら、ウディ・アレンのブロードウェイと銃弾がピカイチです。
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