子供時代に自分のせいで弟を死なせてしまい、以来母親に見捨てられてしまった一人の男性が、大人になってその母親に会いに行くお話(ものすごい雑な説明)。
兎に角キリアンの演技が良かった。子供の頃から心に傷を負い、それをひた隠しにして生きて来た彼の人生を思うと泣けてきた。そして母親との会見のシーンでは、彼の本音が初めて聞けて、ああこんなにも苦しんできたのかと、やはり涙を誘われるのだった。
現在と過去(アイヴァンの子供時代)を交互に見せていく演出や、メラニーの本懐をギリギリまで明かさない構成が、とても良かったと思う。お蔭で、過去に何があったのだろう、この物語はどこへ向かっているんだろうと、終始作品に対する興味が尽きなかった。
人に心を開かず鷹にだけ心を許している風な鷹匠キリアンに見惚れ、ヌナヴトを旅するキリアンの吐く白い息の美しさに見惚れる、そんな作品でもあった。
ところで最後、キリアンとメラニーが良い感じになって終わってたけど、しかしキリアン(もといアイヴァン)の奥さんの立場は一体……と思わないでもなかった（苦笑）。
