ギャス

14の夜のギャスのレビュー・感想・評価

14の夜(2016年製作の映画)
2.8
こういう、男性による男性目線の思春期ものは多い。
思春期の性衝動のドタバタが男の特権であるかのような、イタくて微笑ましい"ノスタルジー"映画はいつまで好まれるのかと寒々しい思い。

女性をモノとして見るのは"当然"だし、
性の同意という、人間として女性を見る視点もゼロ。「それが男子の青春だから」で済まそうとしていて、深みもない。
そして、男はいつまで経っても男子のままなんだよという言い訳のような主張もこういう映画の特徴。
もうこういう刷り込みのような映画を作るのは古いし、もっと言うと害があるのでは?

ネタバレ
ケメ子の存在をある種の男子の夢として扱ってしまっているのもどうだろう。身体も精神も少し不自由がゆえに搾取されている存在。彼女の行動は自由意志のようで、実は周りにそういう扱いを受けているからこそなのに。
「揉めー!」って叫ぶシーンも、カッコいい馬鹿として描かれてるのも呆れる。
ゲイを意識し始めた少年をまるで奇人のように描いたシーンも辛かった。

押し並べてどこにも面白いシーンはなく、これが一定の評価を受けているのかと思うとしんどい。結局、男による男の映画ということか。
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