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黄金の馬車のnuのレビュー・感想・評価

黄金の馬車(1953年製作の映画)
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階級差や権力、植民地主義といったテーマを愛の物語を通して描くのはいささか陳腐に感じられるかもしれない。しかし、文字通り幕が上がり下りる構成にすることで何層にも深みが増す。世界もまた演劇なのだと言っているようだし、演者はまるで役の階級への人びとの見方を投影しているようであった。テクニカラーも実に美しく使われている。『フレンチ・カンカン』よりも好き。鮮やかな色と大胆な模様をした劇団員の衣装が代表的だ。ジョークや愛らしく捉えられた子どもたちなど、小さな要素まで素敵だ。
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