松原慶太

あした晴れるかの松原慶太のレビュー・感想・評価

あした晴れるか(1960年製作の映画)
3.0
中平康の日活青春コメディ映画。八百屋で働きながらカメラマンも掛け持ちする型破りな男(石原裕次郎)が主人公。

とある雑誌社から「東京探検」というテーマで自由に写真を撮ってくれと頼まれる。インテリの眼鏡っ子(芦川いづみ)がアシスタント。昭和30年台の東京。この風景を裕次郎(というか中平康)がどうやって切り取って写真作品化するのか。このプロットはなかなか秀逸。

後半、ヤクザが絡んでどたばた活劇化するあたりから、ありきたりの展開になる。

全体的に、ストーリーも台詞回しも古臭さを感じさせ、大傑作とは言いがたいが、ときおり中平のセンスを感じさせる描写(書道教室の書がめちゃくちゃアヴァンギャルドとか)もあるし、なにより昭和30年代の風景(もはや異国のようにしか思われない)を見ているだけで面白い。
松原慶太

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