ヒロ

呼吸 友情と破壊のヒロのレビュー・感想・評価

呼吸 友情と破壊(2014年製作の映画)
2.0
軽い、とにかく軽い、どれぐらいかというと中村文則の小説に出てくる登場人物が孤児や被ネグレクトであるが故に当然としてニヒルな設定ぐらい軽い。“吸う人”と“吐く人”吸わなければ吐けない吐かなければ吸えない表裏一体のようで相容れない主要な2人を暗喩したメッタメタなタイトルはいいが、詰まるとこ幸せな人が無理して創った作為的虚無でしかなく、黒板を爪で引っ掻いたような不協和音とグレーディングで暗めのトーンに統一した色調だけではハネケやトリアーザイドルイズムが生み出せないのは当たり前。それでも“メラニーロラン”の旗の下集結したプロフェッショナル(ケイスケホンダ)の技を観るためだけの映画として価値はあり、とりわけ撮影はかなりのレベル、主人公の友人のアパートにてドリーを使った横移動のワンカット長回しはバッチバチ決まってたし、時折挿入されるイメージショットの強度には感心させられた。ただ観ても観なくても今後の人生に支障はない。

《ゴーモン映画〜映画誕生と共に歩んできた歴史〜》
ヒロ

ヒロ