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ボンベイのfieldのレビュー・感想・評価

ボンベイ(1995年製作の映画)
3.7
何故、人は争うのか?普遍的なテーマにただただ頷くしかない。更に元を辿ればほんの些細なことかも知れないが武器を持ち火を放てば群衆心理が働いてしまう。拳振り上げるのも止めるのも人で宗教に限らず教訓として残していくべき作品。

タミルナードゥ・マーングディ村、名士の家でもあるセーカル青年とムスリムの娘バーヌ。厳格な両家から飛び出し宗派を超えての結婚、途中子供想いの父親像もあり、黙認する形で生まれた双子と仲睦まじくボンベイで暮らす家族。ロマンス感ある冒頭からちょっとしたコメディの中で両宗派のやり取り、歌やダンスでほのぼのとしてる。
そこから一転、マスジド事件を題材にヒンドゥー教によるモスク破壊から暴徒化するイスラム教、インターミッション皮切りに両宗派による争いで緊張を帯びていく。
宗教で言えば中間層である家族が翻弄されてく様は身につまされる想いがある。街が焼かれ幼い子たちまで被害が及び、止めるセーカルのスワーミさんもまさに体当たりな熱演だった。戸惑う妻のコイララさんも同じく。本当は優しい厳格な父のナーサルさんの安定感も印象深い。

どちらでもないただのインド人だ、まさにこれに尽きる。武器を捨て次々と手を結ぶ人たち、持つべき物は人の手。メッセージとして歌が響く。
ジャケットになった奥ゆかしさのある青いベール越しのコイララさん、とても綺麗だったな。
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