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天使が消えた街のodyssのレビュー・感想・評価

天使が消えた街(2014年製作の映画)
2.5
【3兎を追う者は1兎も得ず】

実在の事件をもとにした映画だそうですが、映画としての出来ははっきり言ってよくありません。

この映画は3つの要素から出来ています。
1.イタリアで起こった留学生殺人事件。その真相は?
2.この事件を材料にして映画を作ろうとする映画監督。その映画をどう作っていくのか?
3.映画監督は妻と別れており、監督としても岐路に立っている。今後どう生きていくのか?

この3つが絡まり合いながら映画は進行するのですが、残念なことに3つとも中途半端なところで投げ出されている、という印象です。3羽のウサギを追って1兎も得ず、といったところでしょう。

映画監督は舞台となっているシエナの街を歩き回ります。その過程で幻想を見たり、奇妙な男と知り合って事件の真相を暗示されたりするのですが、それが上記3つの要素を追求することにうまくつながっていません。作中、監督は映画をうまく作っていくことができない。それと同じように、この映画もうまく作られていないのです。

見どころは、女優が美人ぞろいであることでしょう。殺される留学生の少女、その殺人嫌疑をかけられた別の留学生少女、そして作中の映画監督がふとしたことで知り合って行動をともにする女学生(カーラ・デルヴィーニュ)が、いずれも魅力的です。

でも、カーラ・デルヴィーニュは水浴びシーンで半裸姿も見せてくれるんだけど、ボディに起伏がないので、ちょっとがっかり(笑)。
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