来夢

天使が消えた街の来夢のレビュー・感想・評価

天使が消えた街(2014年製作の映画)
3.6
どこの国でも似たような問題はあるようで、要はワイドショーなんかで殺人事件をまるでサスペンスドラマのように演出して楽しんでる風潮ってどうなのよ。っていうはなし。重要なのは犯人探しじゃないってわかっちゃいても答えを探したがっちゃう愚かなこの映画の観客。ってのが主人公のキャラにも反映されていて映画の主題をわかりやすくしてくれてるね。ただ、それ故にドラマチックな要素が少なくなってしまって、ややインパクトに欠ける気が。
似たように、サスペンスやアクション映画での殺人の扱いに疑問を投げかけるミヒャエル・ハネケの「ファニーゲーム」なんかは、面白さが排除されるかわりに圧倒的な不快感とインパクトを与えることで、トラウマ映画としての地位を不動のものにしているけれど、やっぱりメッセージ性を強く持たせるってことは、そういう痛みを観客にも負わせないと残らないよね。って思うな。じゃないと女の子可愛かったね、で終わってしまいそう。ストーリー自体は好きなんだけれどね。
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