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天使が消えた街のNOBUのレビュー・感想・評価

天使が消えた街(2014年製作の映画)
1.8
結論から言って、残念な作品に思う。本作のストーリーの基軸になるイタリアでの事件と主人公の映画監督トーマスの世界が全く結びつくことなくストーリーが空中分解してしまっている。それぞれのキャラクターとそれを演じる俳優陣も皆魅力があり、オープニングこそ期待させるものがあったが、一気にトーマスの精神描写ばかりへと向かってしまって主観ばかりになっている。
創作家としての葛藤は本作の監督自身の想いも投影しているとは思うが、では、このイタリアでの殺人事件がこの映画で一体何を表現したかったのか、観終わってから相当に不可解にさせる。
二人のヒロインのメラニー、シモーン、そしてロサンゼルスに住む娘の存在なども最後まで描くことなく、結局はトーマスの主観だけで終わらせてしまっており、全てが解らず終わっている。
題材は面白くトーマスの葛藤、それを支える周りのキャラクターもよかったのだから、もっと構成を練り直して本作の脚本を仕上げて撮影に入って欲しかった。
ただ、失敗例として議論する映画としては観る価値はあるのではないだろうか。
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