まつむらはるか

スター・ウォーズ/最後のジェダイのまつむらはるかのレビュー・感想・評価

4.5
「銀河には伝説が必要よ」……

新シリーズでは、エピソード1~6そのものが伝説として語り継がれている。
ストームトルーパー出身のフィン、レジスタンスのポー、ハンとレイアの息子であるカイロレンとは違い、主人公のレイは旧シリーズとは関わりを持たず、偶然BB-8と出会ったことから物語に巻き込まれていく。それはまるで二次創作にありがちな「あのスターウォーズの世界に入っちゃったしなぜか自分フォース使える」的な位置にいる。非常にメタ的だ。


エピソード7では媚びすぎとも言われるほどにエピソード4を意識した作りになっていたが、今回のエピソード8ではバランスをとりながらも着実に世代交代へとシフトしようとしているのがわかる。
今回は話が人物の内面によりフィーチャーされたことで、濃い内容になっている。
特にレイとカイロレンの心情の揺れ。二人の繋がりと戦いは最終エピソードに取っておいたほうがよかったのではないかと思わせるくらいに素晴らしかった。
エピソード7では微妙だったカイロレンも、ドラマの展開と共に魅力を増してきた。
どんなに強いキャラクターを出してきてもダースベイダーには敵わない訳なので、ひょろっとした不安定な青年をシスに持ってきてその成長を描くというのは、アナキンよりも更に現代的に見える。帝国軍の船を作っているヤツがレジスタンスの船も作っている。ジェダイの心にも闇があり、シスも葛藤する。

そして師弟大好き人間としてはルークとベン、ルークとレイの師弟関係はどちらも美味しかった…!
正直、鑑賞前はおじさんになったマークハミルが再びルークを演じられるのか?と半信半疑だったが、さすがとしか言いようがない。主役の座を譲りながらもジェダイマスター、伝説としての確固たる存在感を放っていた。二つの太陽を見つめるシーンはもうなんと言っていいか……言葉にならない。


私は最近一気に旧シリーズを観たにわかなのでエピソード8を正史と認めない方々からしたら信じられない話だとは思うが、私にとって今作はスター・ウォーズの体験として最も好きな作品になった。やはりリアルタイムに映画館で作品を観ることの素晴らしさ。あの音楽と共にロゴマークが現れる瞬間のドキドキ感はたまらない!スター・ウォーズがすっかり好きになってしまった。

あとこれはめっちゃ言いたい、アイロンのシーン、私は好きだよ!!!