たぼ

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明けのたぼのレビュー・感想・評価

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約半世紀に渡る壮大なスペース・オペラこと、STAR WARSシリーズの完結編。
MX4Dにて視聴。

個人的に色々思うところがあり、今日はあえて点数付けはしないことにする。
数年後あるいは数十年後に見方が変わるかも知れないからだ。

批評家と大衆の評価が真っ二つに分かれた本作ではあるが、ルーカス監督が心の底から純粋に作製したいと思い、そこから生み出された1977年の全ての始まりである“新たなる希望”から長い年代を経て、今日の“スカイウォーカーの夜明け”と見事に点線が繋がった。
未完で終わってしまうよりは遥かに良いのだが、背景が大きく違ってきている事にも頭に入れて読んで欲しいと思う。

まだ若くエネルギッシュな監督をはじめ、無名の役者たちが集い、希望に満ち溢れ、全てが真新しかったEpisode4の“新たなる希望”。
この時は真っさらな状態であり、言わば純真無垢だった。
そして、強く激しい輝きも、同時に放っていた。

そこから時を経て『STAR WARS』はひとつのカルチャーとして大きく成長し、地位やブランドとしての土台は間違い無く確立されたと言っても良いだろう。

だが、ルーカス・フィルムの売却、そして権利がDisneyに移ったこと、そういった背景から拝金主義の映画と化してしまったことは紛れも無い真実である。
子供が大人になると同時に色々変わって行くように、STAR WARSもまた、純真無垢では無くなった。

今回のEpisode9が良かったか、悪かったかどうかの明確な評価は下さない。
ある意味、今の時代に合った完結の仕方だとは思う。

それよりも、STAR WARSシリーズを通して思うことは在りきたりな娯楽映画ではなく、“善と悪”という、人間であるがゆえに避けて通ることのできない本質的な部分をテーマにしている所だ。
ただのスペース・オペラ、娯楽映画ではなく、「全ての人々への人生の指標」とも成り得る奥深い作品である。

レイのように進むべき理想の自己像へと変われる機会はどんな人種であろうと、どんな境遇であろうと、等しくあり、最終的にそれは自らの戦いで切り拓いて掴んでいくものなのだろう。

詰まるところ、善と悪の戦いの本質は「自分自身との戦い」なのだ。

光の道を歩むか、闇の道を歩むかは各々の意志次第であるし、正解は無いのだろう。
光がある限り、闇もまた存在するからだ。
だが、悪の道へ堕ちるのは容易いからこそ心を強く持たねばならぬ。


生きとし生ける全ての生命あるものよ
「フォースと共にあれ」
たぼ

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