ナリア

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明けのナリアのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

数年前にスター・ウォーズをしっかり見直したときに一番衝撃だったのは“遠い昔、はるか彼方の銀河系で”だった。
てっきり未来の物語だと思い込んでいたので驚いたものだ。
そんなスター・ウォーズシリーズの中で邪道かもしれないけれど、僕はスピンオフの方が好きだ。「ローグ・ワン」を見たときは僕が求めていたスター・ウォーズはこれだと思った。スカイウォーカーサーガと言われる文脈のなかで“名もなき者たち”に焦点を当てたこと、スター・ウォーズでありながらあのラスト。
だから前作でレイの出自が名もなき者だと語られた時には心踊った。
ついでにあのエンディングの少年にも。
ついにスカイウォーカーサーガにも我々の時代が来たと。
そして本作「スカイウォーカーの夜明け」である。
蓋を開けてみればレイ・パルパティーンである。
ワーオ!マジか!
あそこまで二人で一つだって言ってたんだし暗黒面問題はベン側に背負わせてももかったような気もするが…
いや、でもだからこそ、あのクライマックス入りである(し、あのエンディングである)。
ところどころウルウルしてたけど、ラストの大対戦はヤバかった。孤立と絶望からのあの大船団は熱い。判っていてもグッとくる。(前作お前ら何してたんや!って思ったけど笑)
「どこにそんな戦力が!」「いえ、民間の船です!」には、うぉー!ってなった。
あの船団の中に僕もいた。そんな高揚感だった。
あれだけだもスクリーンで見る価値があるし、今までのシリーズの真価があそこに詰まっているように思った。

なんだかんだいってサーガ陣営の幕引きもよかった「スカイウォーカーの夜明け」だけにベンにはなかり期待してた今作だったけど、ベンの成長(?)と同時にレイアの慈愛が印象深い。
死してもなお、母としてマスターとしてベンとレイがジェダイと成すまで待っていたのかと思うと…
母子共に旅立ったあの瞬間は絶頂だった。

超大作の完結として、今年のエンドゲームと比較されるだろうけれど、僕のなかで今年の指針になるのはやっぱりスパイダーバースだ。
ほんの少しの勇気で誰しもがスパイダーマンになれるし、シスの血を引き闇を宿す少女でも光を失わなければスカイウォーカーを名のれる。

遠い昔、遥か彼方の銀河系で紡がれたサーガ。しかし光と闇があるかぎり、それは私たちの“性”でもある。
胸に刻もう。スカイウォーカーの名を、そしてあの言葉を

「フォースと共にあらんことを!」
ナリア

ナリア