Patrick

ぼくとアールと彼女のさよならのPatrickのレビュー・感想・評価

5.0
冒頭、妙に凝ったカメラワークのショット。全篇を通して柔らかな光が全方位に満ちている色彩設計。ドンピシャの配役。ヒロインの娘さんはスーザンサランドンみたいな大女優になるかもね。音楽の使い方がお洒落。enoさんの曲が囁くように聞こえない寸前の音量で流れます。劇中映画を含め美術小物がまあお洒落。そして僕等が大好き、最後の怒涛の伏線回収。
久々に清しい良い映画に出会いました。役者達が美男でも美女でもないところもいいね。
映画のクライマックス、初めてフルボリューム、フルサイズで流れるenoさんの『the big ship 』。ヒロインは数回瞬きをするだけで、目を見開き、微動だにせず、一言も喋らずに自らの人生が実りの時を迎え、それに満足することを演技してみせる。凄い。そしてただの日常だと思っていた風景が、彼女の人生のクライマックスだったという事が詳らかになるエピローグ。凄い。
Patrick

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