和桜

ぼくとアールと彼女のさよならの和桜のレビュー・感想・評価

3.6
誰とでも適度な距離を保ってきた「ぼく」と、仕事仲間の「アール」と、白血病を患った「彼女」の交流を描いたティーンムービー。ただ、一般的な闘病映画や恋愛ものとは少し違う。
あらかじめそうしたテンプレを否定するような台詞を「ぼく」はメタ的に発言しまくる。彼女は死なないと言ったり、僕たちは恋に落ちないと言ったり、どう見ても親友のアールとの繋がりをビジネス関係だと言ったり。
基本は三人称で見せる映画にとって、独白は直接その人の心情を表したもので、彼が観客に向けて放った数々の言葉の真意や意味を何重にも考えてしまい、どんどん引き込まれていく。
さらに映画の中で映画を作るという、映画の力を信じた映画好きには堪らない映画でもあった。
和桜

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