イワシ

侵入のイワシのレビュー・感想・評価

侵入(1969年製作の映画)
4.6
無字幕なので台詞はまったく分からないが、画面はフィルム・ノワールだし起こることはギャング映画なので(ボルヘス脚本なのに二丁拳銃がぶっ放される!)ひたすら最高。メルヴィル的小集団の抵抗運動も次第に追い詰められ、敵勢力の侵入がついに開始されるラストのモンタージュに圧倒される。

自らが発砲した拳銃の硝煙を突っ切る瞬間、逃走する自動車のテールランプに照らされ暗い闇の中に輪郭の曖昧なシルエットが浮かぶこのショットがあまりにも素晴らしい。

タイトル直前の検問突破のシークエンスもただならない雰囲気で良い。引きのワンカットで人物の動きが小さく捉えられているため、銃声と倒れる警備兵を見るまで何が起きたか分からず、気づけばトラックは検問を越え、そして“invasión”のタイトルが現れる。
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