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国際市場で逢いましょうのtoshiのレビュー・感想・評価

国際市場で逢いましょう(2014年製作の映画)
4.9
今作も昨日鑑賞したハローゴーストに続きRucola様からお勧めいただきました韓国作品。
またまた素晴らしい作品をご紹介いただきありがとうございました。

1950年の朝鮮戦争中、興南から脱出する主人公ドクスとその家族。但し父親とは離れ離れになる事に。父が居ないドクス、母、弟たち家族は幼きドクスが父との約束をまもり家長となり家族を守る事を誓い家計を支えていく・・・。

始まりは老いたドクスとその家族たちが描かれていますが、ドクスが老いるまでどう家族を支え守ってきたのか随所に過去の出来事が盛り込まれ進んでいくと言った内容です。今と過去の行き来は酷い作品だと何がどうなっているのか分からなくなって目も当てられませんが今作は凄く丁寧に作られていて、例えば老いたドクスが片足をちょっと引きづっているとか、妹の来ていた服の袖とか、ドクス父が着せてくれた上着とか、何故老いたドクスは妻とは違う歌手を推すのかとか・・・。兎に角小さな伏線でも綺麗に回収してくれてその都度涙を誘います。今作も作り手さんの作品に対する思いがひしひしと伝わってくる素敵な作品でした。

ドクスの人生が兎に角波乱ですが、でもあまり辛い印象を受けないのはやはり生涯の親友であるダルグの存在が大きいと思いました。どんな時も彼がそばにいる事はドクスが生きていく上で凄く意味のあるものだと思いました。

随所の涙誘う個所も文句なしですがラストの妹と父が絡むシーンは今作一番の感動場面でした。
全体を通してもの凄く見応えのある作品でした。

【余談1】
キャストが誰かなど調べず鑑賞でしたが、ダルグ演じたのは7番房の奇跡に出ていたオ・ダルスとすぐわかりました。ドクスはドイツの炭鉱に出向いた際のちょっと髪の長い時がミスチルの桜井さんにしか見えず、これは誰だ?と思って帰国後髪を切った後の顔を見て「あっ、コクソンの除霊師」と気付きました。

【余談2】
今作中、戦時中離れ離れになった家族を探して再会させる番組のシーンがありましたが、子供の頃観ていたそれは秘密ですを思い出しました。
ラストのコーナーで離れ離れになった肉親を捜して会わせる内容だったと思うのですがヤラセ感が無く、時には会いたいという肉親に対し今はそっとしておいてみたいな手紙だけとか、探しても見つからなかったとかそんな感じでした。でも探してやっと会えたというご家族も沢山いて、内容によっては子供の自分でも泣いてしまう再会もありました。
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