Automne

国際市場で逢いましょうのAutomneのレビュー・感想・評価

国際市場で逢いましょう(2014年製作の映画)
4.2
時代の波に揉まれて生き、家父長制の犠牲になった男の話だった。
曾祖父がフィリピンで亡くなっているので、私の祖父はこんな感じだったと聞いている。自己犠牲の精神を美徳とするのは映画にでもフューチャーされない限りは救われないし、戦後1950年代は世界中そこかしこでそういった物語にもならない物語が繰り広げられていたのかもしれない。
平和になるとそれらは語られない分忘れ去られてしまい、彼らの舐めた辛酸の味を想像することすら困難になってゆく。そういったところの報われなさであったり時代の狭間というターニングポイントゆえの切なさは胸に迫るものがあった。
老境にあって、自分の救った親戚が集合している中、ひとり父を想い出すシーンが素晴らしい。
良作です
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