韓国の近代史が大まかになぞられた作品。
年を重ねるごとに国が発展していく様は、日本の「ALWAYS 三丁目の夕日」に似た雰囲気もある。
国際市場、行ったことあるんだけどとにかく外国人が多い!という印象だった。(自分も外国人だけど)京都の比じゃない。笑
道端で靴磨き、ドイツの炭鉱へ出稼ぎ、ベトナム戦争へ出稼ぎ、と家族のために夢を諦めお金を稼ぐ長男は、どこまで身を粉にして働かなければならないのだろう。
彼はその辛さを最後まで家族には見せず明るく振る舞うのが切ない。
韓国経済の発展について、ベトナムでアメリカの傭兵として戦ったアメリカからの戦闘手当等と、日韓基本条約で決まった日本からの経済援助によるものだと認識してるけど、(まあ日本はこの映画には全然出てこないんだけど笑)釜山港のそばの高台の家からたくさんの建物に灯りが灯っている夜景を見下ろすシーンは感慨深い。
でもドクスは良い友人にも恵まれ、愛する女性と一緒になり、運良く3回も命拾いしたし、過酷ではあったけど決して不幸な人生ではなかったのではないかと思う。死ぬときに悲しんでくれる家族もいる。
生き別れた父親はどうなってしまったんだろう、と思ったけど、末の妹が父親に会っていないということは、父親は妹を見つけきれず、あのまま興南(現在の北朝鮮・咸鏡南道咸興市)で亡くなったのかもしれない。
好きなシーンははじめのほうだけど、現代の韓国の国際市場のシーンで、ベトナム人のカップルに向かって「貧乏な国から出稼ぎに来て」と難癖をつける韓国の若者に対して、ドクスが怒鳴るシーン。ああいうシーンをあえて入れるところが韓国らしいと思う。
決してシリアスなだけじゃなく心温まるシーンもあるし、最後はなんだか泣けるような「お兄さんはよく頑張りました」と言ってあげたくなるような、そんな映画でした。