だいおう

ファンタスティック・フォーのだいおうのネタバレレビュー・内容・結末

2.0

このレビューはネタバレを含みます

おもんな〜。MCUのヒットもあり、いわゆる子供向けのヒーロー映画としてだけで無く、シリアスでドラマのある感じにしたかったんだろうけど、全部失敗してる。

能力を得るまでが長すぎる。確かに、アイアンマン、ソー、キャプテンアメリカと、どれも1作目はヒーローになる過程をしっかり描いてはいる。でもそれって、挫折とか苦境からの復活劇だから感情移入できて、能力を得てからのカタルシスがあるんだと思う。ヒーローだけど人間味のあるキャラクターだと感じさせるのも、そのキャラクターがどういう想いをして、どんな体験をしてきたかを見ているからだ。

そういう意味で、本作の前半はキャラクターのパーソナルに全く根ざしていない内容になっているのが、面白さを感じさせない大きな理由ではないか。大した目的もない転送装置を作ることをひたすら描いているだけで、そこには主要人物の気持ちが全くと言っていいほど入っていない。視聴者はここで置いてけぼりになっている。

異世界でアクシデントがあって初めて、主要人物達がフォーカスされる。でもここまでにそれぞれのキャラクターについて大した言及が無いので、時間をかけた割にそれぞれの葛藤とかが全く見えてこない。元々が寄せ集めのメンバーだからチーム意識もないし、リードが逃げ出す展開も要らなかった。

そもそもだけど、メンバーの年齢設定をティーンにしたのが大失敗だった。原作準拠しないにしても、キャラクター性まで変えてしまうと、それはファンタスティックフォーと言えるのか?と。ビジュアル面もオリジナリティ出したのはいいけど、スーツを原作ベースでカッコよくした訳でも無く、ただただ地味。リードの最終状態も何なんだ。

長ーい導入を超えての戦いも淡白で、別に対して連携してないし、ドゥームがパワーの割にあっさりやられてしまうのもかなりイマイチ。能力バトルはヒーロー映画の醍醐味だけど、そこすら微妙な出来だから、いよいよ褒めるところが無い。

ファンタスティックフォーという原作が無いものとして観れば、映画としてはまあ可もなく不可もなくというところだが、やはりファンタスティックフォーを観にきた客にとっては駄作と言わざるを得ない。
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