おたしん

リトル・ボーイ 小さなボクと戦争のおたしんのレビュー・感想・評価

3.7
希望や夢のある話だけど戦争の残酷さや大切な人を失う悲しさなどもしっかり描かれてました。
ちょっと『ジョジョラビット』っぽいかも。

こんなに日本が絡んでくると思わなかったし第二次世界大戦の時代だからジャップ呼ばわりでした。
ハシモトの立場は何とも言えない。
差別や罵声の中で居心地は悪いだろう。
アメリカ側からしたら敵の1人にしか見えていない。
彼が何をしたわけでもないけど全ての恨みを受けているのが苦しかった。
戦場に赴いていないアメリカ人からしたらやり場のない怒りはそこにぶつけるしかないのか。
殺されかけてもやり返さず耐えるハシモトがすごくかっこよかった。

そんな彼と絆を深めていくリトルボーイ。
背が小さいからといつも揶揄われ大好きな父親も戦争に行ってしまい可哀想だった。
そんなときに希望となった1つのリスト。
ハシモトとの友情が生まれるだけでなくペッパー自身がとても成長したと思う。
他人のことを考えて行動したり周りの意見に流されず自分で決めたり。

"信じることは勇気がいること"っていいな。
ペッパーはリストのことも不思議なパワーのこともパパが帰ってくることも信じて一生懸命だった。
両手を突き出しパワーを使うときのポーズと本気度が純粋すぎて可愛かった。
見ているこっちも彼の望みを叶えてあげたくなる。

中盤まではリストをこなしていってペッパーが成長していく希望のあるストーリーだったけど終盤は結構泣いた。
ペッパーが悲しむ姿が見ていられなかった。
そして戦争終結をやってのけた!ってシーンも原爆ってなると喜べない…。
みんな平和に生きていたいだけなのに何でそれが難しいのか…。

ラストはめっちゃ感動した。
これは間違いなくペッパーが起こした奇跡だったしハシモトのお陰もあったんだと思います!

母親が「8歳の子が父親を想って頑張ってることの何が悪いの」みたいなセリフ涙出ちゃった。
エミリーワトソンに弱い。
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