とむ

マイ・ライフ・ディレクテッド・バイ・ニコラス・ウィンディング・レフンのとむのレビュー・感想・評価

3.0
「オンリー・ゴッド」の撮影に挑むまでと、撮ってカンヌへ赴くまでのドキュメンタリー作品。

でも真に重要なのは、夫婦間について。
監督を旦那に持った妻っていうかなり特殊な事情の家庭間を描いているけど、
結局の所、どこの夫婦間にもある不破が描かれている。
そう思うと、このタイトルも終わってみればレフンの奥さんの痛烈な皮肉にも思える。


「街」って言う実写ノベルゲームで、
「代表作というのは必ずしも本人にとっての自信作がそうなるとは限らない。
そんな皮肉な代表作を市川(ゲーム内の登場キャラクター)はいくつも持っている」
という解説がある。

レフンにとっての「ドライヴ」は正にそれで、それに囚われた結果「自分の本当に作りたかったもの」を見失ってしまう。
そしてその時に培ったある種の「フォロワー」に対して不相応な大きさのプレッシャーを感じ始めてしまう。


偉そうに威張り散らしてるのも、それは結局虚勢の裏返し。
いつもプレッシャーと責任、期待に襲われてると「思っている」。
監督っていうのは繊細なんだな。

「周りの意見なんて関係ない」
「たかが映画だ」ってね。
思ってしまえればどんなに楽か。
とむ

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