リラリオ

ボス・オブ・イット・オールのリラリオのレビュー・感想・評価

4.0
架空の社長を仕立て上げたことから巻き起こる騒動…ラース・フォン・トリアー初コメディー作品。

ある日、売れない役者クリストッフェルに特別な仕事の依頼が舞い込んでくる。
それは、ほんの一瞬演じるだけで終わるはずの仕事だったのだが…

IT企業経営者のラウンは、トラブルを避けるため架空の社長「ボス・オブ・イット・オール」を仕立て上げて、自分は従業員として働いている。
そんななか極秘で自社の売却の話を進めていたが、取引先のアイスランド人社長「おたくの社長と会えねぇなら契約しねぇ!」と言われてしまう。
そこで売れない役者クリストッフェルを雇い、「ボス・オブ・イット・オール」を演じさせることにする。
「ボスの不在を気性の荒いアイスランド人が認めなくて…商談は数分で済む…仕事ないんだろ?」→「…だからって何でもやるわけじゃ…」→が、仕事依頼を引き受ける→謝礼金と台本をもらう→台本に目を通す→「…」→頼んでもいない役作りをしだす→「役柄の人物像を形成するのは、セリフじゃねぇ。話し終わってからが重要で…」→その様子を見たラウンは不安になる→「…そういうのいらねぇから…とにかくシンプルに…台本通りやれや」

筋書きは、アメリカ在住「ボス・オブ・イット・オール」は全ての決定権をラウンに委託し、アメリカへ帰る…というものだった。
が…計画は大失敗。逆にアイスランド人社長を怒らせてしまう→「アメリカに戻るなら契約はしねぇ!契約の場に必ず同席しろ!!」→そして最悪なことに社員たちに鉢合わせてしまう→「…こういう時は臨機応変に…やぁ!やっと会えたな!私が社長だ!」→なんとクリストッフェルは自分が社長だと名乗り出てしまう→慌ててクリストッフェルを連れ出すラウン→「なんてことを…なぜ社員と話した?彼らは君が本物の社長だと信じてしまった!」→「えっ!!つまり、僕の演技力が高すぎたわけか?迫真の演技で本物の外見まで忘れさせて…」→「ちげぇよ…彼らは社長の外見などこの10年間知らない…見たことないから…」→「はぁ!?一度も?」→「そうだ…」→「どういうこと??」→ラウンは、自分が社長であることを打ち明ける→「…人の上に立つ風格が備わってなくて…だから社員にも自分が社長だと伝えていない」→その話を聞いたクリストッフェルは「役者の僕なら君の窮地を救うことができる!」
こうしてクリストッフェルは1週間後の契約の日まで社長を演じることに…。

クリストッフェルは替え玉社長大作戦の誓約書にサイン→「秘密厳守な!」→早速、会社設立当時からいる社員と対面→「紹介する!俺らのボスだ!」→社員たち「…」→「積もる話もあることだし、自分がいない方が話も弾むだろう…」ラウンは席を外す→偽社長クリストッフェルはスヴェンと名乗る→冷ややかな態度の社員たち。そして、偽社長はいきなりぶん殴られる…。

技術会議→何がなんだかサッパリわからん偽社長→「失礼!知らせたいことが…」ラウンが会議室に入ってくる→「実は、計画していた小旅行が中止に…」このタイミングでバッドニュースをぶっ込むラウン→「マジかよww去年だってどこにも行ってねぇのに!」→「仕方ない…全てボスが決定したことだ…」→「いい加減その言葉聞き飽きたわ!!」→社員たちは、積もりに積もった社長への不満を爆発させる→「労働条件も人事政策も酷すぎる!」→「メールでいつも私の意見を批判して…ラウンばかり頼って!」女性社員からはゲイだと疑われる。

アイスランド人社長の顧問弁護士が会社にやってくる→なんと…クリストッフェルの元嫁→替え玉作戦バレる→「あんた…利用されてるよ!奴は契約の達人だから!」元嫁は、ラウンは社員を酷使し、嫌われ役を架空の社長になすりつけ、善人を気取るクソ野郎だと忠告する→が、「お前に関係ねぇだろ!ラウンのやっていることは会社と社員のためを考えた上でのことだ」と聞かない→「じゃあ、会社売却の話、明日には社員に話してるよね!」→「えっ!?会社売るの?」→「そだよ!」
偽社長は、ここで初めて契約内容を知る。

そして、契約の日…。

トリアー監督にしてはかなりライトな作品だったが…最後はやはり…性格悪っ!!歪んでんな~でした。
ハッピーエンドかと思いきや…プライド高し大根役者のスイッチの入りどころ‪𐤔‪𐤔
おもろかったっス!
リラリオ

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