2015年に公開されたダニー・ボイル監督版のスティーブ・ジョブズの伝記映画『スティーブ・ジョブズ』を観賞。2013年に公開された同名タイトルの別作品ではApple創業から始まり解任・復帰までを順序立てて描いてたけど、本作では1984年のMacintoshと1988年のNeXTcubeと1998年のiMacそれぞれの発表前の舞台裏を描いており、ジョブズと関係者が延々と罵り合うという予備知識なしでは全く付いてけない会話劇なのにスリリングで面白い。しかして頑なに最初の子供（娘）を認知しなかったとか親友のウォズを始め会社の設立メンバーを袖にしたとか、自身のビジョンを具現化するためなら何でも切り捨ててきたジョブズらしい発想の片鱗を味わえる仕様ではある。ある意味で彼は人生を賭けて「世界を変える」「宇宙をへこませる」という大望に固執した半狂人なんやろけど、この文章をiPhoneやiPadで綴ってる現況を顧みれば自分もその狂気の恩恵を受けて生きてるって事に思い至るな。
