マカロニウエスタンと呼ばれるジャンルがあるけれど、西部劇と言ったらUSAなのに、製作やらメインキャストが北欧で固められたこれはなんて言うんですかね。ヴァイキングウエスタン?
ある意味スキヤキウエスタンぐらい異質だと思うんだけど。
西部劇も最近あからさまに少ない中、こういう映画貴重だと思います。
観る前に想像していたものを超える硬派な西部劇。
「妻子を殺された主人公が…」というのは、「イチャイチャしてたら殺人鬼に殺されるカップル」ぐらいよくある展開ですが、主人公の「絶望に次ぐ絶望アーンド絶望」という、押し寄せる絶望のビッグウェーブは流石に酷過ぎて変な笑いが出ます。
コレに比べれば『許されざる者』のイーストウッドさん友達殺されたからって無視してもいーんじゃねーのレベル。
「雑魚だと思って怒らせたら実は…」というのも、例の「戦艦のコックが最強の特殊部隊員」並みのよくある話ですが、通常のそれと違いナカトミビルで孤軍奮闘する人以上に無駄にピンチが多いのも好感が持てます。
そんな主人公をマッツ・ミケルセンさんが演じていて、兄役のミカエル"ハミルトン"パーシュブラントさんと共に、とてもハマり役というか、この配役考えた人スゲーなオイ。
近年観た中で『3時10分、決断の時』と甲乙つけがたいウエスタン。
終盤の銃撃戦の、「一応これでもヨーロッパ戦線の生き残りなんで」的な、趣向を凝らした無慈悲な感じがコレまた素敵。
あと四、五人倒して欲しいやついましたけどね。
ラストのラストもなんだかそれでいいのかっていう気もしましたけどね。
そこら辺、ヴァイキング文化なんでしょうね。
元フランス代表エリック・カントナさんが、プロフィールの代表作に載せる事が出来る映画という意味でも存在意義はデカイのかもしれません。