YYamada

トレジャーハンター・クミコのYYamadaのレビュー・感想・評価

2.9
【サスペンス映画のススメ】
〈ジャンル定義への当てはめ〉
 ▲: 観客の緊張感を煽る
 ▲: 超常現象なし

◆作品名:
トレジャーハンター・クミコ (2014)
◆サスペンスの要素:
・宝探しの結末は?

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・東京で孤独な毎日を過ごしている29歳のOLクミコの唯一の楽しみは、コーエン兄弟の映画「ファーゴ」を見ること。冒頭の「本作は実話に基づく」というテロップを信じ込み、スティーブ・ブシェーミ演じる登場人物が大金を埋める場面を繰り返し見てはその場所を想像するのだった。
・ある日、会社のクレジットカードを預かったクミコは、そのカードを使って旅費を支払い、映画の舞台となった都市ファーゴへと向かう…。

〈見処〉
①『ファーゴ』の身代金を探せ!
 都市伝説をもとに映画化
・『トレジャーハンター・クミコ』は、2014年に製作されたインディペンデント映画。
・本作は、日本人女性にまつわる都市伝説「タカコ・コニシ事件」を菊地凛子主演で映画化したもの。
・「タカコ・コニシ事件」とは、2001年、東京在住の日本人女性がノース・ダコタ州ファーゴから東に60キロの地点で凍死しているのが発見されたもの。その6日前にこの女性を保護した地元警官が「彼女は、映画『ファーゴ』の身代金の詰まったブリーフケースを探していた」と証言したニュースから「映画冒頭の演出文を真に受けた女性が、宝探しで遭難して死亡した」という都市伝説が全米にひろまった。
・実際には、英語が拙い日本人女性との対話の行き違いを保安官が勘違いした内容が報道されてしまったものであり、仕事や恋愛の行き詰まりによる自殺というのが真相であると判明しているが、本作は、その都市伝説をもとに映画化したものである。

②結び…本作の見処は?
『ファーゴ』と異なり、まさに「実話に基づくフィクション」作品。
○: 大人気アメリカ映画『ファーゴ』に伴う都市伝説をもととした、作品コンセプトが『ファーゴ』ファンにはたまらない作品。いくつかの『ファーゴ』ロケ地も登場。
○: 前半のOLパートの陰湿な描写は、一昔前の日本の日常生活で目にしていたようなパワハラ場面で、日本の特性を捉えている。河北麻友子が出演。
▲: 「オズの魔法使い」のメタファーを取り入れたダーク・ファンタジーを試みているが、夢も共感もリアリティーもない作風には、『ファーゴ』愛好者以外には、退屈に感じるだろう。
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