くりふ

残酷女刑務所のくりふのレビュー・感想・評価

残酷女刑務所(1971年製作の映画)
4.0
【オス向けエンタメは檻の中に揃ってる】

なんとなく女囚まつり。これはパム・グリアの実質デビュー作、パム有り女囚コーマンムービー3部作第1弾。

コーマン作品としては売れ、後に続く女囚映画の原型となったとか。女囚映画史では中興の祖、と言われている。…って誰が言ってんだ?

ところで、本作のすぐあと日本で『女囚さそり』第1作が公開されたのは偶然だろうか?

冒頭からパムまつり。主題歌「Long Time Woman」…無期懲役の女…を彼女の歌声で始めてる。…ちょと可愛すぎるけど。この曲、タラちゃんが『ジャッキー・ブラウン』でしっかり使っていましたね。

フィリピン奥地に聳える、何故か白人女が所長を務める女刑務所。何故か白人美女ばかり詰められた狭き大部屋に、さらにヒロインが詰め込まれて始まる、まったく予想通りのおんな騒動。

檻の中が美女の吹き溜まりって、檻なのに天国だ。黴びたようなコンクリの函に封じられた、女囚の女臭にクラクラしそう。CGの時代に入り全く失せてしまった、貴重な臭気ですよこれは。

大部屋民の一人がパム姐さん。脇役だが既に、おっぱいに始まり大物感あるある。ヤルことない檻の中、“ゴキレース”に熱中し、物売りの男にナマで触らせたりと大活躍!…ピークは意外や泥レスでしたね。

たまに外出て、麦わら被って田植えも頑張ります。一見萌えますが、何故田んぼかといえば勿論、フィリピンだからではなく、上記した泥レスのためです!

あと、女囚間で政治犯に絡む情報が行き交いますが勿論、ポリティカルだからではなく、情報もつ女囚を拷問するためです!ちゃあんと、フル装備の拷問部屋があるのです。僻地なのに。

拷問前に髪を解く看守長が火照る!鞭打ち、窒息、感電、蛇!

女囚の虐待・拷問に始まり、中盤までに倒錯交尾を済ませ、暴動と脱走、そして銃撃戦。これはオス向けエンタメのフルコース。

今見るとかえって新鮮で、マジ感動しました。もうこんな風に乾いた映画、二度と作られないだろうと思うと…ウソ泣けます。

何も足さない/何も引かない…ジャック・ヒルの定食演出が素晴らしい。まあ、何も考えないようにせんと、こんなん撮れないだろうけどさ。

<2019.7.8記>
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