イチロヲ

小松みどりの好きぼくろのイチロヲのレビュー・感想・評価

小松みどりの好きぼくろ(1985年製作の映画)
4.5
亡き父が統率していた修験道の施設を訪れた娘(小松みどり)が、実権の掌握を企んでいる事務局長(野上正義)と対峙する。性的交歓を信条にしているカルトを問題提起している、日活ロマンポルノ。マイルストーン製作。

主人公の妹(イヴ)が色情の病に悩まされている女性として登場。色情狂を狐憑きのように描写しており、性交渉という名の儀式が見世物的に展開される。また、病の原因を冒頭で示唆しているため、お香(=マリファナ)が原因であることが理解できる。

事務局長の息子(福田健次)と使用人の白痴男(九十九一)を絡ませた、三角関係のサイド・ストーリーが切ない気持ちにさせられる。ファッション感覚でマリファナをキメている少女(滝川真子)によって、事態が収束するというところも皮肉めいていて面白い。

スピリチュアルとエロスとサイケデリックの関連性に言及している作品。山本晋也特有のナンセンス・コメディ路線とはまったく異なるが、本作品自体がカルトの資格十分。
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