あなぐらむ

学生妻 しのび泣きのあなぐらむのレビュー・感想・評価

学生妻 しのび泣き(1972年製作の映画)
3.9
スケバンが罷り通る時代に描かれた、絵に描いたような純愛、いやさ「殉愛」を描く加藤彰監督作品。
不幸な生い立ちと爛れた生活の中で、汚されるほどに清い輝きを見せていく片桐夕子の儚い美しさと健気さを、現代の少女たちは如何に見るだろうか。
白川和子(当時23歳なので、片桐夕子と三歳ぐらいしか違わない)が母親役で花を添える。時折異次元のようなカットを割り込ませつつ、乾いたタッチで加藤演出は描いていく。助監督に村川透。
そう、これは青春映画なのである。

白川さん演じる片桐夕子さんのお母さん役が言う、「おんなはね…犯されたりなんかしちゃいけないんだよ…!」のセリフが痛い。まだ初期なので役者の固定がなく、牧恵子、山口明美ぐらいか。高橋明、島村謙二辺りが脇を固める。