カタパルトスープレックス

明日の世界のカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

明日の世界(2015年製作の映画)
4.0
アニメーションの鬼才ドン・ハーツフェルトの初のデジタル作品です。Vimeoで鑑賞しました。テーマは「ビルの物語」三部作と同様「生と記憶」です。

ドン・ハーツフェルトは基本的に紙とペンで棒人間を描き、アナログカメラで撮った写真をそこに重ねる手法を使います。そのアナログなタッチがすごい素敵な効果になっていました。そんなドン・ハーツフェルトが初めてコンピューターを使って仕上げた作品なんで、若干不安もありますよね。でも、ご安心を。いつものドン・ハーツフェルトでした。

オリジナルの「エミリー・プライム」に会いに来た未来のクローンエミリー。人間はクローンで生き続ける世界になっていました。記憶も引き継がれます。しかし、クローンも永遠に続けられるわけではないようです。生殖活動もしなくなります。人間同士ではなく、岩石やガソリンスタンドのポンプに恋をします。クローンエミリーは何のためにエミリー・プライムに会いに来たのでしょうか?という話です。

とにかく子供のエミリー・プライムがカワイイ!😍ドン・ハーツフェルトの登場人物は純粋無垢な人が多いですが、狂っています。今回のエミリー・プライムは狂ってない!普通にカワイイです!多分、シナリオは用意せず、子供のリアクションをそのまま録音したんじゃないかなあ。そうしないとこんな会話にならないと思う。どのような手法を取ったにせよ、非常に優れた演出手法です。