つむ

エンドレス・ポエトリーのつむのレビュー・感想・評価

エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)
4.0
前作「リアリティのダンス」で改心したかに見えた父親はまた元通りに。
反発から家を飛び出し芸術を分かち合う仲間と出会うホドロフスキー青年。

顔面ショートケーキやステラがいきなり2リットルのジョッキビール飲み干したりと笑ってしまうシーンも多数。また舞台劇のように黒子が出てくる演出も面白い。
エンリケとひたすらまっすぐ進むシーンは印象深い。
「自分を生きるのは罪じゃない。他人の期待どおりに生きるほうが罪だ。」「人生の意味は?」「意味などない。生きるだけだ。生きろ 生きるんだ。生きろ!」
ホドロフスキーの優しさが詰まった人間讃歌。
繊細だった少年は傷つきながら成長し、父を乗り越え旅立つ。
きっと長い時間をかけて父親を赦すことができたのだろう。この映画を作ること自体が一種のセラピーだったのかもしれない。
現在94歳。まだ長編作品を観たいと切望してしまう。
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