あとくされ

エンドレス・ポエトリーのあとくされのレビュー・感想・評価

エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)
4.6
か な り 良 い !

とある詩人から教わった映画。ホドロフスキーの監督の自伝として製作されたご様子の本編は、ひとりの家庭で抑圧された詩人が我が道を切り拓いていくプロセスを描いている。ラストはパリに行くことになる。

映画全体は作られた過去として演出されていて、コミカルというか戯画的というか、舞台芸術的というか、そんなウィットが散りばめられている。
冒頭から過去の自分をまなざすアレハンドロ監督(だよね?)が顔を出して、口上を語る。
この未来の自分の視点があるからこそに、過去の自分に対してこの場面の意味などを語ってやれることができる。とりわけこの演出が効いてくるのがラスト。
長年抑圧してきた父親と別れるところ。父親の抑圧に感謝するのだ。その感謝の理由が未来の自分から語られることになるのだけれど、素晴らしい。
それまでの怒りや憎しみが、哀調を帯びて開花する。これは感動。

詩人や芸術家になることが気になってる人には薦めたいね、ぜひとも。
あとくされ

あとくされ