ジュライ

アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たちのジュライのレビュー・感想・評価

3.0
人里離れた精神病院を舞台にした、誰も信用できない系サスペンス。
『シャッター・アイランド』と似てるけど、あっちのほうがもっと不穏で陰鬱で、ストーリー全体に濃霧がかかってるような雰囲気。

こっちは精神科医志望の学生が病院内の監獄を発見したのをきっかけに、事の真相自体は序盤に明らかになり、後はいかにしてラム院長の牙城を崩すかが主な争点となっていく。

現代ですら精神疾患患者の待遇はいいとは言えないし、いわんやこの時代なんて悲惨だっただろうなー。ロボトミー手術すらまだない頃。
治療するより妄想の中にいさせてやったほうが当人にとっては幸せだろうとするラム院長の主張は、正直かなり理解できる。
幸福なんて主観でしかないし、自分が幸せだと思ってる狂人は実際に幸せでしょう。

ラストはチープだなぁ。これ恋愛要素いる?
無理にいい話にまとめようとして、全部が中途半端になってしまってる。
どうせ感情移入しづらいタイプの主人公なんだから、もっと後味悪くてもよかったと思う。
ジュライ

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