河

Loulouの河のレビュー・感想・評価

Loulou(1980年製作の映画)
4.2
嫉妬したら反射的に感情的になるような決定的な自己肯定感の低さがあって、けど本来は優しい人だったんだろうなみたいな嫉妬がパーソナリティに深く刻み込まれてるような男が出てきて、その男が実際そのまま妻か彼女を寝取られて、その後はその寝取った男とその女の2人の話になる その2人のベッドが壊れるシーン含めた前半の地に足のついてないような浮き足立った感じとその後の不安感とか嫌悪感から続く、足ひきずるように関係性が続いてくラストが最高だった

前作、前前作と、この監督の映画には嫉妬深いというかパートナーを取られることへの異常な恐怖のある人が絶対出てきていて、この映画では未知の存在のようにパートナーが描かれているので、自分から離れた人への理解のために作った映画のように見えた その後の関係性と比較することで自分のはどうだったかを検討するけど、最後男の仲間に自分と同じような行動をする人が出てきて、それを見たことが男との子供の中絶を決意するきっかけになるのを知るっていう

関係性が話の主軸になって、一気にユスターシュとかフィリップガレルと同年代の監督なんだなって感じがした ただ、それぞれ自己投影してるだろう人物のキャラクターの個性にかなりの差があって、それがそれぞれの映画のトーンとかリズムの違いにも繋がってるように見えて面白かった ママと娼婦のカメラ置いただけみたいな画面はジャンピエールレオーの弾丸トークないと映画として持たなさそうだなとか、そもそもその撮り方の厳格さってそういう理論や主義持ってる人のそれだよなとか

ショットの物語や感情的には繋がってるけど、時系列的にはめちゃくちゃ飛んでたりするっていう繋ぎ方とか、フィルム由来でもないような光がぼやけた独特のテクスチャーとかこの監督特有のところは引き続きあって好きだった なんか記憶を見てる感じがする
河