ひげしゃちょー

テラフォーマーズのひげしゃちょーのレビュー・感想・評価

テラフォーマーズ(2016年製作の映画)
3.8
原作を知らない人間としてみたらそれほど悪くはなかった。 戦闘シーンがごちゃごちゃっとしてたり、技術的に文句つけたくなる箇所はあるけど。原作知らないから評価しずらいけど、アニメを忠実に再現したらこうなるんだろうなと感じた。 ただし、ハリウッド映画のアメコミ映画やSF映画と同じ視線で観たらがっかりするかもね。 冒頭のナレーションとアース製薬のロゴが入った巨大殺虫剤で映画のスタンスがはっきりと分かるはず。 それを踏まえて一点だけ本気でダメだしするとすればテラフォーマーの強さを前にしてるのに緊迫感があまりないというところ。 この映画に関してはある種のお約束の上に成り立っている特撮映画と同じだと思うので、わかりやすい死亡フラグとわかりやすい展開とスピード感溢れる展開は褒めるべき点ではないかと思う。 小栗旬のアニメっぽい科学者キャラ、山田孝之の実家のデフォルメされた貧乏っぷりと、滝藤賢一のキレキレぶりとその滝藤に男を感じて惚れてしまう麻里子さまのキャラ、唐突に外国語で話しだすくだりに三池監督らしさを感じた。 変身後の菊地凛子の妖艶さと小池栄子の舌舐めずりは褒め称えたい。 昆虫に変身することなくテラフォーマーたちが打つ銃弾にヤクザとして死んでいったキーさんと黒岩さんは完全にVシネだった。 山Pに関しては完全にバッタになって死んぬし、戦うシーンよりも死ぬシーンのインパクトが強い。 山田孝之の死なない虫というキャラクター設定に三池監督の孝之愛を感じた。 脚本が中島かずきだけあってSF歌舞伎とも言える映画かもしれない。 それなりに予算をかけたSF大作映画としたら非難轟々になのも納得だけど、視点を変えればそれなりに楽しめるんじゃないか。 ありえない設定だけにもっと壊して欲しかったけど、原作ありきだから難しいのかな。 的場浩司の使い方含めてどこからどう見ても三池ワールド全開なので筋金入りの三池ファンなら楽しめるはず。