ほーりー

我が道を往くのほーりーのレビュー・感想・評価

我が道を往く(1944年製作の映画)
3.8
とぅーらるーらーるらーとぅららーらー♪

続いて1944年度のアカデミー作品賞受賞作「我が道を往く」。数少ないコメディで作品賞に輝いた一本であります。

共同通信社のMOOK21から出ているアカデミー賞の本に「戦中米国ヒューマニズム映画の金字塔」という説明文があったが、まさにそんな言葉がピッタリくる。

この映画が敗戦直後(終戦の翌年!)の日本で公開されて一世を風靡したのもよくわかる。

つぶれかけた教会の立て直しのために司教から派遣されたオマリー神父(ビング・クロスビー)は(当時の)聖職者としてはかなり革新的な人物。

赴任した教会の創設者であるフィッツギボン神父(バリー・フィッツジェラルド)は古い考えの持ち主で、オマリーのやり方についていけずにいる。

とうとう我慢の限界になったフィッツギボンは司教にオマリーの転属を訴えようとするが……。

元音楽家志望で歌もプロ並みに上手く、そしてゴルフが大好きな神父って、これはもうクロスビーに役をあてて脚本を書いたとしか思えない。

その甲斐あってかそれまで演技賞には縁がなかったクロスビーが見事本作で主演男優賞を獲得する。

一方、ビングと並んで本作でアカデミー助演男優賞を獲得したバリー・フィッツジェラルドはアイルランド出身の役者で、本作で演じたフィッツギボンもアイルランドから渡ってきたという設定で、これまたアテ書きのような役柄。

オルゴールから流れるアイルランドの子守唄を聴きながら、故郷に残した母親に思いを寄せるシーンは胸にしみじみ来る。

尺が少し長いのと、オマリー神父の内面的ドラマが弱いきらいはあって、正直全体的な内容でいうと3.7なのだが、最後の最後で思わずホロッと泣かされてしまったので+0.1点。

■映画 DATA==========================
監督:レオ・マッケリー
脚本:フランク・バトラー/フランク・キャヴェット
製作:レオ・マッケリー
音楽:ジェームズ・ヴァン・ヒューゼン/ロバート・エメット・ドーラン
撮影:ライオネル・リンドン
公開:1944年5月3日(米)/1946年10月1日(日)
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