モリッツ

ビッチハグのモリッツのネタバレレビュー・内容・結末

ビッチハグ(2012年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

2015年のノーザンライツフェスティバルで観て以来、ずっと心に残ってた本作。2019年の年の瀬に、奇跡の2度目。アップリンク吉祥寺ありがとう。

とんでもないビッチの男漁り録かと思いきや、冒頭でちょいビッチなだけで、あとはピュアなティーンエイジャーの友情と成長の物語だった。
めちゃめちゃ手際よくNYのスタバ空間を作り出すシーンが愛しくてたまらない。
大きなお屋敷に集められたモノ(動物の剥製、トイレットペーパー、鳥の巣箱等)の多さが、寂しさに比例してるんだなと思った。
何かを振り払うみたいに夜の森を疾走しても、崖の手前でいつも足が止まってしまうアンドレアの気持ちがよく分かる。どこかに行ってしまいたいのに、結局どこにも行けずに、安全な場所でもがいてるんだよなぁ。
「あなたといると自分を好きになれる。」
みんなの目を気にして、何者にもなれなかったクリスティンが、アンドレアに出会って、互いを知って、自分自身を愛せたときの本音。シンプルに突き刺さるねぇ。
本作の「ビッチ」という言葉は、クリスティンいわく「考える暇もないくらい本能的な」という意味。人生において、ビッチハグをぶちかますシーンはどれだけあるだろうか。
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