たてぃ

黄金のアデーレ 名画の帰還のたてぃのレビュー・感想・評価

4.1
オーストリアのウィーンで裕福なユダヤ人家庭で生まれ育った主人公だがオーストリアはナチスドイツに併合される。そしてユダヤ人迫害が始まり絵画を含む財産までもが没収される。命からがら国外へ脱出しアメリカで生活していた1998年、その絵画がウィーンの美術館にあることを知った主人公。そこでオーストリア政府に絵画の返還を求めて訴訟を起こすもオーストリア政府にとってはそれを返還することは「国が強奪した」ことを認めることとなるため…

彼女が生まれ育ったウィーンでの回想シーンも生々しくてナチス色が深まる重たい空気…マジで怖い…セリフもドイツ語だったために非常にリアル感のあるものでした。

またオーストリア人同士の対立「戦争はもう終わった」派vs「償いはまだ終わってない」派が垣間見えて日本人にとってもこういう対立の図式ってあるよなあと感じました。

ドイツ映画では主役級のモーリッツ・ブライプトロイとトム・シリングも出てましたが、登場シーンは少なめ…(そんなにギャラが良かったのか?)にわかドイツ映画ファンとしてはその辺りは減点対象でした…それでもとても良い作品に変わりはありませんが。

《蛇足》
オーストリアをオーストラリアと間違えるのは日本人だけではなかったことを知ってホッとしたのは自分だけでしょうかw
たてぃ

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