高橋早苗

黄金のアデーレ 名画の帰還の高橋早苗のレビュー・感想・評価

4.4
ナチに奪われ
いつの間にか国の持ちものになり
国民から愛されているけれど
描かれている 美しいひとが愛した家族は
今ははるか 大西洋の向こうにいる


その、家族
アデーレの姪マリアが
叔母の肖像画を
取り戻すまでのお話


マリアの過去と 彼女の持ち続けたい正義が
描かれるけれど 主役だけれど
それ以上に!

…ルーツを知り 変わっていく
若手弁護士ランディの姿に
魅入ってしまう。

ただの“聞いた話”から
実感する話に
…自身にとっての リアルになるのね


「今度の旅で 自分の中の
 何かが変わってしまった」
と告白するとおり
依頼主の制止も聞かず
裁判に持ち込んでいく


マリアは
彼女なりの正義を通し

ランディは
自身のルーツと つながっていく


マリアの祖国は
分断されているけれど

分断は
またつながる為にあるの


人の心の中で
そして、誰かと。
高橋早苗

高橋早苗