トビーマグワイアの配役が当たった。目がその理由だろう。
チェス版をとらえた彼の目にゆっくりとズームでよって行き、奥から近づいてくるノイズ混じりのサウンドを合わせるだけで、ボビーフィッシャーの考えている世界が全て解らずとも、観客は引き込まれてしまう。
その一方チェスから離れると、その目はいってしまっている人間として役立つ。
ちなみに本物のフィッシャーの目はとても優しい目をしている。演出成功といっていい
チェスという難しそうな内容を、時代設定に合わせた選曲でポップに観やすくもしている。(サントラも気になる)
しかしその反面それらの曲で、ボビーフィッシャーの内面も軽く描かれてしまっている場面も
観客は緊張感を期待し観に行っているのでそちらの割合を増やすべき、ノリのいい曲は前半で十分
個人的にはホテルでの女性との出会いはなくて良い場面で
欲しいのは姉との関係性、幼少期の二人の場面をワンシーン入れるだけで二人の見え方がもっと違うはず。(母も気になるが)
とにかく十分に引き込まれて行くし、2時間の作品とは全く思えない程あっという間の充実した時間だった。
彼のドキュメンタリーの映画が作られないかなども期待する。
対戦者はどう思っていたのかなどのインタビューや、日本に暮らしてた彼の痕跡など、まだまだ彼が気になる。